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転売って悪なの?

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転売。

販売目的で購入し、その購入価格以上の価格で再び販売するというもの。

これが悪質だのなんだのって話。今に始まったわけではないけれどね。

 

 

転売といえば、コロナ出現によりマスクやらアルコールやらのウイルス対策グッズの買い占め・転売は記憶に新しい。

命に関わるかもしれない商品が「小売店では売り切れ、転売ヤーのショップでは超高値で販売」という状況になり、世間からは厳しく非難されましたよね。

普段は転売対象となるような商品を手に取らないような人たちにも多大な影響があり、社会問題に。

 

 

そもそもこの転売というビジネス手法。

やったらダメな商売なんでしょうか?

 

商社や小売店も、仕入れた価格に手数料を上乗せして販売していますよね。

これも転売ではないでしょうか。

 

 

「あの商品の原価は○○円なのに、この店はこんなにも高く売っている!」とかいう原価厨もいますので、この際モノの売買の流れについてまとめようかと。

 

 

 

■商品が僕たちの手元に届くまで

 

①生産者

②商社

③小売業

④消費者

 

とまぁ、これがかなりざっくりとした商的流通

僕たちが普段何気なく購入している商品には、これだけの仕事が関わっています。

 

原価厨はこの商流の②と③をすっ飛ばして考えていますね。

マクドナルドのポテトの原価を気にするなら、ジャガイモを作る為の土地から加工道具までをも作って流通手配まですべて自分でやれって話です。

 

 

②商社も③小売業も、仕入れた価格に手数料を上乗せして販売しています。

そもそも仕入価格より高く売らないと利益になりませんので、これは当然ですよね。

 

そう、商社も小売業もビジネスの表面だけ見ると、転売ヤーとやっていることは同じです。

 

 

 

 

■「買えないモノ」を「買えるように」してくれる仕事

 

じゃあ悪質な転売ヤーとは何が違うのか?

 

そうですねー、

では原価厨の話にも出した「ジャガイモ」を例にとって考えてみます。

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じゃがいも。

近所のスーパーに行けばいつでも買うことができますね。しかも1個から買うこともできます。

 

僕たち消費者が「自宅の近所で」、「極小ロット」で、「売買契約書を交わすことなく」買うことができるのは、【小売業】という仕事があるからですよね。

 

僕が北海道の農家に行き「今晩のカレーで使うからジャガイモを3個売ってほしい」と言っても、門前払いでしょう。

【生産者】は広大な土地でジャガイモをt単位で生産・出荷しているので、たったひとりの消費者を相手に、しかもたった3個の販売の為に金銭のやり取りなどの手間をかけるはずがありません。

 

つまり、【消費者】は【小売業】という仕事のおかげで商品を買うことが出来ます。

 

 

では、【小売業】が【生産者】と直接取引しているのかというとそうでもありません。

北海道の農家はt単位での生産をしています。それを日本各地の小売店ごとに価格交渉をして契約書を交わし、受注・仕分け・発送・入出金なんて作業はとてもじゃないけど出来ません。

 

大口契約なら生産者も対応してくれるかもしれませんが、そもそも小売店は一度にt単位での仕入・在庫・販売は難しいので、農家から直接仕入れることはできません。

※イオンなど大型小売店の存在はここではスルーでオナシャス。

 

 

そこで登場するのが商社】

商社とは、商品をメーカーから仕入れて小売店へ販売する仲介業者ですね。

 

商社は数多の小売店と取引契約を交わし、注文を集めることでt単位での発注が可能になります。

農家はこの商社と契約を交わせば大口取引が可能になり、物流なども商社が請け負っていますので、さまざまな小売店へ商品を届けることが可能になります。

 

小口の注文を集めて大口として農家と取引し、物流を整備して各地に納品することをビジネスにしています。

その手間と費用を手数料として価格に上乗せして利益としているのが商社ですね。

 

売店の能力だけではジャガイモを仕入れることができませんが、商社という存在により、必要な分だけのジャガイモを仕入れることができます。

 

 

 

さて、ここでは商売の流れを見てきましたが、すべてに共通してることは「買えないモノを”買えるように”してくれる仕事の存在」です。

 

これが悪質な転売ヤーとの大きな違いです。

 

 

 

■悪質な転売ヤーは、モノを「買えなくする」。

 

悪質な転売ヤーに目を付けられる商品の特徴は以下のふたつ。

希少価値が高い商品

小売業者が販売している商品

 

希少価値云々は商売では当然のことなので良しとします。

問題なのは「小売業者が販売している商品」を買い占め、高値で転売するというところ。

 

本来ならば定価で買えていた商品が転売ヤーの買い占めにより売り切れとなり、消費者全員に平等にあったチャンスを奪います。

小売業者から見ても、買い占めにより売り切れとなってしまえば「本当にその商品が欲しかった消費者」に行き渡らなくなります。

 

買えるモノを買えなくして転売するという利己的なビジネスは、社会にとって不要なビジネスなのです。

 

 

 

■悪質な転売を防ぐには 

 

ライブチケットなどは転売禁止の法律「チケット不正転売禁止法」が定められています。

ただ、商品ひとつひとつに法律を定めるわけにもいきません。モラルの問題なので法律で抑制するのは難しいことなのかもしれませんね。

 

唯一できる対抗策は、転売ヤーから買わない」ということだけ。

そりゃ売れなければ商売として成り立たないわけですから。

 

今や購入前の価格比較は当たり前で、転売された商品かどうかなんてのも調べれば誰でもすぐに分かります。

 

つまり、

情報弱者

「商品が手に入ればそれでいい。悪質かどうかなんて関係ない」

という消費者たちが相手の、非常に市場が狭い商売になっていきそうですね。

 

 

ーーーーー

10年ほど前、僕の大好きなMr.Childrenのライブに参加したとき。

友達はチケット選考に漏れたのですが、よほど行きたかったのか、ダフ屋からチケットを購入していました。

 

それを知った僕はその友達を激しく非難しました。

お前なんてファンじゃない、と。

 

 

そんなことを思い出した、今回の調べもの。

 

転売屋なんて早く淘汰されてほしい。

 

 

 

ではでは。。