芋焼酎「安田」を飲んだよ
といっても、購入したのは数ヶ月前でもう飲み切ってしまいましたけども。
とても美味しかったです、ごちそうさまでした。
「国分酒造株式会社」さんの『安田』というこの芋焼酎。
国分酒造さんが作る芋焼酎はどれも大好きで、その中でもレアな「安田」を初めて購入。
■芋焼酎「安田」とは
「蔓無源氏(つるなしげんぢ)」という100年昔の芋の品種を原料と仕込みに100%使用したという希少な焼酎。
「蔓無源氏」の芋は大正から昭和の初めにかけて盛んに栽培されていたらしいですが、その後は絶滅状態に。
平成15年に霧島市の農家さんが10本の苗から復活に取り組み、復活を成功させたという品種。
芋焼酎の原料はもちろんサツマイモ。
ですが、仕込みには米麹を使用しているものが多いのです。
原料だとか仕込みだとかの製造に関する話は、また別の機会にまとめたいなー、と考えてます。
国分酒造さんには蔓無源氏を原料に使用した蔓無源氏という銘柄の芋焼酎も以前から作られているのですが、これは仕込みには米麹を使用しています。
なので蔓無源氏が原料の蔓無源氏ですが、仕込みには蔓無源氏を使用しておらず、蔓無源氏は蔓無源氏のみの焼酎ではないのです。
余談ですが、マリリン・マンソンのマリリン・マンソンは好きなミュージシャンです。
■味わい
他の芋100%焼酎と同じく芋の風味がダイレクトに感じられるのかと思いきや、想定外のフルーティな味わい。
「ライチのような香り」と言われている・・・けど、僕にはその例えはよく分からなかったよ・・・。
焼酎を飲まない人には苦手な人も多い、あの「芋の香り」というものが少ない。
かといって物足りなさは無く、濃厚な甘みを感じます。
スッキリとした爽やかな印象もあるので、水割りやストレートで飲んでも美味しい。
白麹を使用した芋焼酎のようなマイルドさや、国分酒造さんの黄麹を使用した「純芋」の華やかさとはまた違います。
少し話が逸れるけど、ウイスキーやワインの短評でもいろんな例えを目にする。だけど、あまりピンとこないものが多い。
香りって、難しい。
某ウイスキー評論家が某ウイスキーの評価で「段ボールのような香り」って言ってたのがあったな。
なんやねん・・・段ボールって・・・。
今までたくさんの焼酎を飲んできましたが、この「安田」は本当に唯一無二の芋焼酎だと感じました。
■価格
価格は1800mlで約2,800円。お酒専門のネットショップで購入しました。
手に入りにくい焼酎ではありますが、価格は手頃。
僕は毎晩お酒を飲みますし比較的飲酒量も多いので、普段飲みの焼酎にするのは少し高い値段ですが、見つけたら即買い、という感じ。大量生産もしていないのでね。
■国分酒造さんとの個人的エピソード
エピソードと言っても、僕はお酒関係の仕事をしているわけでも無いし、九州在住でも無い、ただの焼酎ファンです。
2014年3月。
鹿児島へ旅行に行き、その際に国分酒造株式会社さんを訪れました。
少人数での旅行でしたが、国分酒造さんに電話を入れ、酒蔵の見学が出来るか聞いたところ、「時期的に仕込みは終わっているが、案内はできますよ」とのこと。
案内してくれたのは、杜氏の安田宣久さん。
そう!芋焼酎「安田」の名称の元になったお方。
後に、平成29年度「現代の名工」(卓越した技能者表彰)を厚生労働大臣より受賞されております。すごい。
機械は稼働していなかったですが蒸留器など工場内を紹介していただき、敷地内に湧き出ている超軟水を飲ませていただきました。近所の方は汲みに来るらしい。
この旅行の半年前に発売した「安田」。
新発売されたこの商品のことは知っていたけど、油断していたら売り切れてしまって買えませんでした。
買えなくて悔しかった話や焼酎が大好きな話、工場の各設備を興味津々に見て質問する当時20代半ばの僕の姿は、焼酎を作る方たちには嬉しい存在だったのかも知れません。
繁忙期では無かったのでのんびりと案内していただき、お土産にグラスをいただきました。
そんな思い出のある芋焼酎「安田」。
■終わりに
お酒を、場を盛り上げるためだけのガソリンのように扱う人をたまに見かけます。
どんなお酒にも作った人の思いが込められていますので、雑に扱わないでほしいものです。
ではでは。。