【競馬】2020年産駒デビューの新種牡馬
今年も日本ダービーが終わり、6月からは函館競馬がスタート。
季節も変わり、いよいよ夏ですな。
新馬戦も始まり「ダービーからダービーへ」向けた、馬とホースマンの熱い戦いが始まりました。
この時期に注目されることと言えばやはり「新種牡馬の産駒デビュー」ですね。
さっそく今年の新種牡馬を確認していきましょう。
■2020年産駒デビューの新種牡馬
G1を勝ちまくった馬など産駒の登場が楽しみな種牡馬もいれば、「なんでこの馬が種牡馬に?」みたいな馬もいますね。
毎年、7000頭以上が生産される競走馬。
引退後、牝馬はほとんどが生産牧場に戻り仔馬を産むために繁殖牝馬となります。
ウマは1年に1頭しか産めませんので、生産頭数分の母親がいます。ちなみに双子にはならないように調整されます。
引退後の牡馬はというと、種牡馬になれるのはごく少数です。
競走成績が優秀だったり魅力ある血統の持ち主だったりと、限られた条件で選定された牡馬しか種牡馬になれません。
とても厳しい世界です。
種牡馬になれない牡馬は乗馬やホースセラピーに”転職”する場合が多いようです。
ただ、行方不明になる馬も多いんだとか・・・。
とまぁ、経済動物であるサラブレッドのこのような話をするととても長くなり、答えを出せない話題なのでやめときます。
本題に戻り、今年の注目の新種牡馬を紹介。
2020年 注目新種牡馬
画像引用先:JRA-VAN Ver.World
5代血統表
2020年 登録産駒数:189頭
レースレコードで日本ダービーを制し、2冠を達成した馬。
皐月賞でも見せたように気性面に難があり、成功するかどうかは遺伝の仕方ひとつだと思う。
キングカメハメハとディープインパクト亡き今、良質な繁殖牝馬が回ってくるのは確実だが、ドゥラメンテ自身が日本現代競馬の結晶のような血統なので、繁殖牝馬選びに苦慮しそう。
ちなみにドゥラメンテは僕が競馬を始めて最初のダービー馬。
思い出の一頭。
モーリス
画像引用先:JRA-VAN Ver.World
5代血統表
2020年 登録産駒数:176頭
1歳時にサマーセールに上場され150万円で落札され、その翌年の北海道トレーニングセールにて1,000万円で落札される。
比較的低い価格が示すように、ハッキリ言うとそこまで期待されていなかったであろう馬。
まさかG1を6勝もする名馬に育つとは誰が想像しただろうか。
モーリスの父母父がサンデーサイレンスなので、ディープインパクトなどサンデーサイレンス産駒を父に持つ繁殖牝馬との配合なら「サンデーサイレンスの4×3」というインブリードが完成します。
サンデーサイレンスのインブリードと言えば、2020年無敗の2冠牝馬であるデアリングタクトも同じですね。
ドゥラメンテの母父もサンデーサイレンスなのでドゥラメンテ産駒でもクロスは作れるが、日本の主流の血を多く持っている分、モーリスほどの柔軟さは持ち合わせていないと思う。
画像引用先:netkeiba.com
5代血統表
2020年 登録産駒数:133頭
キャリア1戦でG1朝日杯FSに挑み、JRA・G1完全制覇がかかった武豊騎手騎乗のエアスピネルを負かし、M・デムーロ騎手が「ゴメンネ、ユタカサン」と笑いながら謝ったエピソードは好き。
空気を読んだ騎乗なんてクソみたいなレースは見たくない。いいぞもっとやれ。
その後の活躍も期待されていたし僕もどこまで強くなるのかと期待していたが、気性難により結果を出せず、屈腱炎により3歳で引退。
引き継がれる素質に期待。
画像引用先:netkeiba.com
5代血統表
2020年 登録産駒数:118頭
米国産馬。ダートでデビュー2連勝を飾り、川崎競馬場の全日本2歳優駿(Jpn1)に出走予定だったが除外され、中山競馬場最後の朝日杯FS(G1)にR・ムーア騎手の手綱で出走し優勝。芝未出走馬のG1制覇は史上初。
皐月賞6着後はダートに戻りレパードS(G3)制覇こそあれど成績は振るわず、ケガにも悩まされ、5歳で引退。
米国産らしい仕上がりの早さとスピードを持った産駒が出てきそう。
画像引用先:JRA-VAN Ver.World
5代血統表
2020年 登録産駒数:110頭
G1・Jpn1合計10勝という大記録を打ち立てた馬。
39戦中6着以下は4度のみ(内2回はドバイWC)という堅実派で、500kgの馬体で4年間を走り続けた強靭さは産駒に引き継がれるはず。
ダート界の王者ゴールドアリュールが2017年に亡くなってから、各馬が鎬を削るダート種牡馬界に飛び込む大物。期待。
画像引用先:netkeiba.com
5代血統表
2020年 登録産駒数:102頭
英国の2000ギニーステークス(皐月賞のモデルレース)の勝ち馬というクラシックホース。もうひとつのG1タイトルであるジャック・ル・マロワ賞ともに芝の直線マイルG1。
海外では種牡馬としてすでに多くのGIウイナーを出している本馬。日本軽種馬協会が購入し共用されることに。
芝の直線マイルG1をふたつ制したそのキレとスピードに期待。
ちなみに、ジェベル賞(G3)と英2000ギニーを勝った時の鞍上はおなじみC.ルメール騎手。
画像引用先:JRA-VAN Ver.World
5代血統表
2020年 登録産駒数:101頭
クラシックに参戦もしたが4歳までは好走こそあれど重賞勝ちには届かず、目立つところが何もない馬だった。
しかし5歳初戦の中山金杯をレコードで優勝。距離が合わなかった阪神大賞典と天皇賞・春こそ崩れたが宝塚記念と天皇賞・秋を制覇し重賞4連勝という快進撃。
ラブリーデイ自身は先行し素軽いレースぶりを見せ中距離を得意としていたが、母系がスタミナ色の強い血統なのでさまざまな産駒が生まれる下地はある。
しかし、キンカメ系種牡馬は層が厚く苦戦は必至か。
がんばれラブリーデイ。好きな馬。
画像引用先:netkeiba.com
5代血統表
2020年 登録産駒数:96頭
2008年にケンタッキー州で種牡馬入りし、芝・ダートの両方でG1馬を輩出しています。
日本で走った産駒では、輸入され根岸S(G3)を勝ったエアハリファがいます。
画像引用先:netkeiba.com
5代血統表
2020年 登録産駒数:72頭
2戦目の未勝利戦で2歳芝1600mの日本レコードを更新して勝利。その後も逃げ・先行脚質でG1・2勝を含む重賞6勝を上げている快速馬。
2017年~19年秋シーズンは豪州・アローフィールドスタッドにてシャトル供用されています。
ちなみにディープインパクト産駒の牡馬でJRA・G1を2勝したのはこの馬が最初。
画像引用先:JRA-VAN Ver.World
5代血統表
2020年 登録産駒数:53頭
体質の弱さから、3歳となった2014年4月の未勝利戦でデビュー勝ち。
2戦目以降は逃げ戦法を取り、アイルランドT(OP)では前半58.2秒のハイペースで後続を10馬身以上離して逃げ、最後の直線では外ラチ近くまでヨレてしまうが、そのまま後続に2馬身差をつけて勝つという衝撃の走りで無傷の5連勝を飾った。
4歳時には香港カップ(G1)、5歳時にはフランスのイスパーン賞(G1)に優勝。
このイスパーン賞を8馬身差で圧勝したことにより、ワールド・サラブレッド・ランキングの速報ランクで129ポンドを獲得し単独首位となった。
何が起きるかわからない繁殖の世界
以上、注目される新種牡馬を紹介しましたが、名馬でも必ずしも種牡馬で成功するとは限りません。
過去にも、ダンシングブレーヴ、ラムタラ、オグリキャップ、テイエムオペラオー、ピルサドスキー。牝馬でも、ダイワスカーレットやウォッカ、アパパネ・・・。
挙げだすとキリがない。
今年はペルーサやハクサンムーンなど個性的な馬も種牡馬入りしていますし、今後が楽しみ。