世間の「競馬との付き合い方」
競馬はギャンブル。
でも、「スポーツ」として見ても魅力のある競技だと思う。
最近だと、フランスの女性ジョッキー「ミカエル・ミシェル」騎手の来日が話題になっていますね。
昨秋は、イタリア出身の世界トップクラスジョッキー「ランフランコ・デットーリ」騎手が8年ぶりに来日し、とても華やかな開催になりました。
日本人でも、JRA唯一の女性騎手の「藤田菜七子」騎手はいつも話題になりますし、「武豊」騎手もデビューから現在まで常に日本競馬界の中心にいる存在です。
競馬は馬が主役の競技ですが、「馬」と「人」とが合わさって初めて成り立つ競技です。
騎手だけではなく、1頭の馬を出走させるまでにたくさんの「人」が関わる。
生産者、馬主、調教師、厩務員、装蹄師、競馬場の運営・維持に関わるJRA職員・・・。
みんなで力を合わせて、競馬を開催する。
素敵やん。そんな競馬が大好きです。
そして、開催された競馬を観戦し、馬券を買う僕たちもその「人」に含まれます。
いきなりですが、ここでお金の話。
競馬開催の売上金額は、実際にいくらなのか。
当歳の仔馬が億単位で取引されたり、世界のG1レースの1着賞金が7億円だったりだとか、生きてる世界が違いすぎるような金額についてはトピックスとして目にしますが、 馬券の総売上金のトピックスってあまり見かけない気がします。
毎年1月に前年の結果報告を聞くぐらいか。
当然ですが、JRA日本中央競馬会は企業情報としてHPで発表しています。
以下のグラフはそっから引用。
まずは「売得金額」。
馬券の発売金額です。
2019年の1年間の売得金は「2兆8817億8866万1700円」でした。
に、にちょうはっせんおく・・・
みんなどんなけ馬券買うとんねん・・・。
平成初期のピーク時なんて4兆円やで・・・。
馬1頭が2億円とか、1着賞金が7億円とかで騒いでいることが小さく感じます。
ちなみにこの売得金はJRAの利益ではありません。
ここから約75%を馬券的中者に払い戻し、残りの25%(いわゆるテラ銭)から運営費やら賞金やらに使われ、残ったのが利益になります。
グラフを見ると、ここ8年間は前年の売得金を超えており、好調に推移しています。
次はこれ。「総参加人員」。
馬券購入者数です。
売得金が増えるということは、購入者数が増えているということですよね。
ひとり当たりの購入金額には大きなバラつきがありますので、やはり人数が重要。
僕みたいな豆券購入者でも人数が増えれば大きな金額となりますからね。
しかし、下記のグラフをご覧ください。
これは「競馬場への入場者数」です。
売得金額や参加人員のグラフの動きと違いますよね。
おもしろい。
馬券は売れ、競馬を楽しむ人も増えているのに、競馬場への入場者数は減っていく。
「競馬は生で観戦し熱くなってこそ」みたいな声もたまに聞きます。
スポーツや音楽ライブ、ましてやオリンピックともなるとテレビ観戦だけではなく現地でその熱量を体感したいという気持ちはよく分かります。
でも競馬に関してはそうじゃないらしい。
売上金が伸びているので人気が無くなっているわけでは無さそうだ。
理由のひとつとして、「即パット」というインターネット投票サービスが考えられます。
スマホさえあれば簡単に馬券が買えます。
僕もほぼ100%の馬券をこれで買っています。
競馬場やウインズが近くにない人。
自宅で静かにじっくり競馬を楽しみたい人。
僕みたいに純粋にインドアな人。
そんな人たちがこのサービスを利用しているのでは無いかと。
ちなみに僕の生活範囲の近くには競馬場もウインズもあります。
でもウインズは一切行かなくなり、競馬場は年に数回程度。
即パットが無かったら僕は競馬を続けていないと断言できます。
それぐらい便利。
「Club JRA-Net」にログインすれば馬券の収支も自動計算してくれるし。
これが地味に嬉しい。
僕が考えるもうひとつの理由。
それは、「みんなやりたいことが多いから」なのではないでしょうか。
娯楽だけでも、かなりたくさんのことが簡単に出来る時代。
そんな時代において、「趣味は競馬のみ」なんて人は少数派だと思います。
「競馬だけで終わる1日」という時間の使い方をする人が減っているのでは。
競馬の予想や分析は曜日や時間に関わらずいつでもできます。
そして、馬券が発売されたら即パットで購入。
土日は、仕事が休みだからこそできることに時間を費やす。
レース結果だけネットで確認し、レース映像は後日見ればいい。
そもそも土日は仕事だったり、家族と過ごす時間だったりという人もたくさんいる。
JRA側も、CMに芸能人を起用してPRし、競馬場を快適にしようとさまざまな施設を作り、イベントも開催しています。
それでもこの結果。
・・・いや、競馬場は行ったら行ったで楽しいですよ?
実際、競馬場はもう鉄火場といったイメージは全くありません。
G1があるような日は混雑してしんどいだけなので別ですが。
そう、たまに行く程度でちょうど良い。
競馬に限らず、何においても楽しみ方や付き合い方というのは日々変わっていきます。
情報が溢れ、様々なことに手を出すことも可能になりました。
でも、1日が24時間という時間の流れ方は決して変わりません。
むごい。
ではでは。。